プゴヘジャンク
雨が降って朝は少し涼しいように感じたけれど、日中はとても蒸す。
世界でネクタイを締めてスーツ着ているのは日本人だけだと思っていましたが、韓国人もネクタイにスーツですね(このクソ暑いのに)。というわけで、世界でネクタイをしているのは日本人と韓国人だけです。
歩いて明洞を抜け、乙支路入口の交差点を通り、武橋洞プゴグッチッへ。
日本人観光客と、それから近所のオフィスのサラリーマン風のグループ。韓国のサラリーマンは朝ごはんを職場の近くで同僚と食べるのだろうか……
メニューは一種類のみで、プゴヘジャンク(干し鱈のスープ)。スープの中に昨日中部市場で見たような乾物が入っており、滋味深い。備え付けのオキアミを投入すると旨味がブーストする。また、ごはんの奥にある桜エビと青菜を和えたようなものもご飯泥棒。もちろん、キムチもおかわり自由。韓国も塩辛いもので白飯を食べさせるというのが基本スタイルで恐ろしいほどなじみ深い。おすすめです。
ソウル歴史博物館
光化門へ出て、ソウル歴史博物館へ。
展示が「朝鮮時代」、「大韓帝国時代」、「日本統治時代」、「大韓民国時代」の4つの部屋に分かれているのだけど、1つ目の「朝鮮時代」が改装中で見られなかった。ソウルという街の大元の成り立ちが結構知りたかったのだが……
日本統治時代の鉄道敷設を捉えた写真。なるほど、当時のソウルはこういう感じだったのか……
日本統治時代の日本人向けソウル観光案内マップ。自分もここ二、三日ソウルを歩き回ったから分かるけれど、殊の外、今のソウルの町割りに近い。景福宮の真ん前に総督府を置くのがなかなか嫌らしいなというのと、朝鮮神宮って南山の中腹にあったのか、というのが印象に残る。
説明板がしきりに「ソウルは何百年もの間ずっと栄光ある首都だったのに、日帝の行政区分変更のせいで京畿道の一地方都市に成り下がってしまった」とこぼしている。以前、大連博物館へ行った時も感じたけれど、市立の歴史博物館は、その市(≠市民)が自分たちをどのように認識しているかが滲み出ていて興味深い。
戦後の地下鉄開業風景。地下鉄1号線が開業したのは1974年。なので台湾や中国の地下鉄に比べると、乗り換えの導線がいまいちだったりする(日本もだが)。
漢江の河川改良工事。これを見て「あっ」と思ったのは、蚕室は元々中洲だったところを埋め立てて陸地にしていたのだ(蚕室島(チャムシルド)が蚕室洞(チャムシルドン)になっている!)。蚕室には昨日訪れたロッテワールドタワーと、それからロッテワールドがある。どこの国でも埋め立て地にはテーマパークが建てられるのである……
漢江市民公園
自分は韓国の映画が好きだけれど、ソウルが舞台の映画としてぱっと思い浮かぶのは『グエムル-漢江の怪物-』(ポン・ジュノ/2006)だ。映画の中の怪物が初めて暴れるのが、国会議事堂もある漢江の中洲、汝矣島(ヨイド)の公園だということで、訪れてみる。
汝矣ナル駅。
おー、漢江だ。
漢江。
この西江大橋が、怪物がぶら下がっていたところ、らしい。確かにこんな感じのような。
周辺の景色は映画とちょっと違うけれど、親水公園のような感じになっていて家族連れで賑わっていました。
関係ないけど、韓国の中年男性がみんな韓国映画に出てくる中年男性みたいな喋り方をしているので、ちょっと感動した(当たり前だけど)。
新村から梨大
蒸し暑い中を歩いていたのですっかり汗だくになってしまい、冷たいものがほしいと新村へ。
現代百貨店のMEALTOPでパッピンス。
せっかくなので新村の辺りを少し歩いてみる。学生街ということで確かに若者が多い。
ついでに梨大の方面へ入って行くとなぜかラブホテル街。坂道もあってまるで円山町みたいだ。韓国にもラブホテル街というのはあるのですね……
ラブホテル街を抜けると急に梨大エリアに入り、また若い女性の姿を見かけるようになる。プチプラな服屋も。
冷麺
乙支路入口へ戻り、晩ごはんはロッテ百貨店地下のフードコートにあるポンピヤン。
冷麺ってスープが美味しい料理なのか、と知る。牛だしがよく効いている。
翌朝の飛行機で福岡へ移動するので韓国は実質これが最終日なのですが、ソウル、都会でトイレが綺麗、歴史があって観光名所も多く、買い物が楽しく、食事も日本人に合う、ということで、まあ、概ね老若男女が誰でも楽しめる旅行先だと思った。強いて難点としてはハングルが判読できないくらいだけど、大抵は日本語が併記されているのでこれも大きな問題にならない。自分はこれまで台湾派だったけれど、韓国は台湾の弱点である歴史とショッピングをカバーしちゃってるんですよね……
街を歩いていても異国という感覚をあまりもたない。些細なことかもしれないけれど、街のスケール感であったり、塩辛いもので白飯を食べさせる食事のスタイルであったり、車が歩行者を優先してくれたり、歩いている人の顔立ちであったりファッションであったり。逆に、初めての海外旅行先が韓国だったら、海外を舐めてしまうかも。