2020年9月から『ファイナルファンタジーXIV』(以下『FF14』)をやっている。「ファイナルファンタジー」シリーズナンバリングタイトルのMMORPGである。「ファイナルファンタジー」は好きだけどMMORPGというものをやったことがなく、多いに腰が引けていたところ、トライアルとして全4編の内2編が無料でプレイできるとのことで、恐る恐る触り始めた。
MMORPGは他のプレイヤーとパーティーを組んで進めるものなのだろうけれども、当然、プレイヤーによってゲームを開始するタイミングは異なり、つまり、レベルもバラバラになるはずで、いったいどうやって成立しているのだろうと漠然と思っていた。実際にプレイしてみて、慣れている人にとっては当たり前かもしれないけれど、なるほどよく考えられた仕組みだなと感心した(『FF14』しかやったことがないので他のMMORPGは違う仕組みなのかもしれない)。
(1)『FF14』の世界には「冒険者」と呼ばれるフリーランスの人々がたくさんいる。主人公(プレイヤー)も冒険者の一人である。
MMORPGとしてはよくある設定なのだろうけれども、この設定がやはり重要である。言い換えると、主人公はただ一人の勇者「でない」(それがシナリオ上の誘引を弱めてもいるのだが)。
(2)メインクエストの大部分の時間はソロプレイで、他のプレイヤーとのパーティープレイはごく一部である。
パーティープレイはどちらかといえばやりこみ要素のような位置づけ。
(3)メインクエストでパーティープレイが発生するのは、いくつかの「ダンジョン」(といくつかの「蛮神戦」)のみである。
いわゆるダンジョンは『FF14』世界の広さからすると相対的にわずかで、数えるほどしかない。
(4)パーティーはタンク1名、ヒーラー1名、DPS2名とロール編成が決まっている。
ジョブごとに所属するロールが決まっている。例えば、ナイトはタンク、白魔導士はヒーラー、モンクと黒魔導士はDPS、のように。
(5)プレイヤーは自らパーティーを組む必要がない。ダンジョンへ入ろうとすると、おなじダンジョンへ入ろうとしている他の冒険者(=他のプレイヤー)を、システムが自動でマッチングする(「コンテンツファインダー」という機能)。
「パーティ募集」という機能を使って事前にパーティーを組んでからダンジョンへ臨むことも可能だが、メインクエストを進めるだけなら自動マッチングで事足りる。なお、前述の通りパーティーの編成が規定されているため、規定人数通りにマッチングされて初めてダンジョンへ入ることができる。
(6)ダンジョンでは「レベルシンク」というシステムが発動し、パーティーメンバーはダンジョンごとの規定レベルへ強制的かつ一時的にレベルアップ/ダウンする。
ビギナーもベテランもいったんはおなじレベルに揃えられてダンジョンへ挑むことになる。個人的にはこれが最も肝なシステムでないかと思っている。
(7)一度クリアしたダンジョンでも、特殊アイテムや特殊通貨のようなインセンティブがあり、高レベルプレイヤーでも再挑戦する価値がある。
これも非常に重要な仕組みで、これがあるため『FF14』を最近始めたプレイヤーが、まったくマッチングできなくて立ち往生するのを防ぐことができている。
(8)ダンジョンではロールごとに果たすべき役割が明確に決まっており、その立ち振る舞いは「初心者の館」でトレーニングする。
例えば、タンクであれば、先頭に立って、敵へ先制攻撃し、「敵視」を集める、というのが果たすべき役割。各ロールが自分の役割に専念していれば概ねダンジョンが攻略できるような設計になっている。逆に言うと、他のプレイヤーとコミュニケーションを取らなくてもチームプレイが成立するようになっている。各ロールでの立ち振る舞いは「初心者の館」でかなり徹底的にトレーニングされる。
というわけで、システム側が相当お膳立てしてくれているので、プレイヤーはギルドでフレンドを作ってわいわい的な感じでなく割とこう淡々とダンジョンを攻略できるようになっているのだけれども、やはり人が集まって行動を共にするので大なり小なりコミュニケーションに関するあれこれは起こるようだ。「FF14 コンテンツファインダー」で検索すると、「挨拶」一つとっても過去様々な議論が行われていたことが窺える。
初見殺し的なダンジョンもいくつかあり、全員初心者で臨むと全滅の憂き目に遭い、初心者とベテランが「コンテンツファインダー」でマッチングして挑むと初心者だけがダダハマりして居たたまれない気持ちになるという……自分もタイタン討伐戦、ゼーメル要塞はちょっとトラウマになりました……まあ、それこそゲームというか、全滅してもリアルで死ぬわけでないので、トータルでは思い出ですが……
あと、パーティプレイの話とまったく関係ないけど、『FF14』、スクリーンショットでなくカメラ機能(「グループポーズ」という)がなかなか充実していて、構図やライティング、ポーズ、表情がいろいろ調整できるし、見た目重視の装備もたくさんあるしで、これはこれでやり込みたくなってしまう……