ぶりだいこんブログ

推理小説とか乃木坂46の話をしています。

『乃木撮 VOL.01』(乃木坂46/2018)

 女性アイドルグループ乃木坂46のグループ写真集。写真週刊誌「FRIDAY」に連載された同名シリーズの単行本。メンバー自身がカメラマンとなり、互いにオフショットを撮影、収録しているのが大きな特徴。

乃木坂46写真集 乃木撮 VOL.01

乃木坂46写真集 乃木撮 VOL.01

 

  最初の数ページでもう「可愛さの暴力」にタコ殴りにされたような気持ちです。
 まずド頭の#001、齋藤飛鳥さんが着ぐるみの頭だけを脱いで、こちらをまっすぐ見つめる写真。これがもうはっとさせられてしまうのですが、撮影者は新内眞衣さんで、そのコメントが、

 CMの撮影でクマの着ぐるみを着て、いつになくテンションが高かった飛鳥。カメラを向けると、「やだー」って言いつつ、うれしそうでした。もし着ぐるみの中にこんな美少女が入ってたら、びっくりするだろうなぁ

 次に隣のページの#002、たぶん、握手会会場のミニステージ前だと思うのですが、歌衣装でポーズを決めた白石麻衣さんと衛藤美彩さんです。撮影者は若月佑美さんで、そのコメントが、

 同い年のお姉さんコンビ。2人とも乃木坂46の"美"の象徴的メンバーだけど、同性の私から見てもドキッっとするほどきれい。それにしても、こんなに美人だと、毎日、鏡を見るのが楽しいだろうなぁ~って思っちゃいます

 いや、そう言ってるあんたもだいぶ美人やん……と思うのですが、それはさておき、15ページあとの#038、見開きで、生田絵梨花さんがスプーンでケーキを掬って松村沙友理さんにあーんしており、二人の間にその様子を見つめる高山一実さんと白石さんがおり、さらにその様子を撮影している若月さんが向かいの鏡に映りこんでいるという、『ラス・メニーナス』のような重層的な構図(言い過ぎ)の写真。若月さんのコメント。

 この日は、かずみんの誕生日。ケーキの甘いにおいを嗅ぎつけたまっちゅんが、ひと口目をパクリ! まっちゅんは、残ったケーキを一人でごっそり食べていることが多いので、"誕生日ケーキのぬし"と呼ばれているんです(笑)

 かように、乃木坂46の可愛さ、仲のよさ、それにライブ感が実にうまく抽出、表現されていて、乃木坂46のプロダクトとして大変優れています。ノンブルはないのですが、全写真にナンバリングがされていて、ファン同士で語り合える工夫もされています。これ、講談社の人が制作したのかな。この膨大な写真とキャプションをいい具合に配置するの、大変だったでしょうね……
 そういう感じで、可愛さ、仲のよさ、ライブ感が超高密度で繰り出されるので、始めから読み進めるとだいたい#067辺りで力尽き、本を閉じてしまうのです(これでもまだ全体の1/10くらい)。#067は白石さんが屋外で歯磨きをしている写真なのですが、これが呆れるほど綺麗。撮影者伊藤万理華さんのコメント。

 高校薙刀部を描いた映画『あさひなぐ』の撮影中、朝日に照らされたまいやんが、きれいだな~と思って撮りました。朝、寒いなか、外の水場で歯磨きをするのが日課になっていて、それも本当の部活をやってる感覚だったな

 おんなじこと言ってるやん。
 本の雰囲気を伝えるために、公式Twitterを少し引用しますね。

 

 

 

 

  巻末にはメンバーアンケートがあり、「素を見せられるメンバー」、「男だったら付き合いたいメンバー」(別に男じゃなくても付き合ってもらっていいけど)が記載されています。メンバーがメンバーを表現する言葉にしみじみとした愛情が感じられ、最長7年間の付き合いが垣間見えます。
 例えば、飛鳥さんの白石さん評を引用しますと、

 まぶしい存在だけど、気さくで話しやすい。愛を与えたぶんだけ、ちゃんと返してくれる人だと思います。

 これ、本当にしみじみと感じ入ってしまいます。
 ちなみに、3期生大園桃子さんの白石さん評は、

 やっぱり一番はまい姉さん。高嶺の花かもしれないけど、好きになってもらえるように桃子は頑張る!

 です。いい味出してますよね。
 その他、お互いがお互いを指名している相思相愛カップルも素敵です。西野七瀬さんと樋口日奈さんは加入当初から今に至るまでずっとお互いを「推し」としていてすごいなとかあるんですけど、特に印象的なのは伊藤純奈さんと若月さん。
 若月さんの純奈さん評は、

 サバサバした性格で、年下だけど包容力があるんです。私が甘えられる数少ないメンバーかもしれない。

 一方、純奈さんの若月さん評は、

 私の前だと、めっちゃ女の子らしくなるんです。若も「唯一、自分が女子として接することができるメンバー」と言ってて、甘えてきます。

 え、なんなのこれ。少女マンガなの。しかも、若月さんが先輩で純奈さんが後輩であるところもポイント高い。
 最後に好きな写真をいくつか取り上げますね。#231、高山さんと与田祐希さんが目を見開いている写真。ちょっとブレてるのもいい。撮影者は万理華さん。#555、西野さんが牛になって若月さん、中田花奈さん、桜井玲香さん、生田さん、秋元真夏さんに突っ込もうとしている写真。いわゆる「偶発的ルネッサンス」調で可愛い。撮影者は斉藤優里さん。#608、暮れゆくマリーナ湾をホテルのベランダから眺める秋元さんと生田さん。青春です。撮影者は松村さん。他にも好きな写真はたくさんあるんですが……
 総じて、乃木坂46のいわゆる「わちゃわちゃ感」が鮮やかに描き出されており、これまでの乃木坂46のグループ写真集『乃木坂派』とか『1時間遅れのI love you.』が悪かったということは全然ないんですけれども、やはり乃木坂46はリゾート地に行って水着になるのでなく、楽屋のわちゃわちゃを披露してくれる方がなんぼ嬉しいという感じで、乃木坂46の(グループとしての)写真集の方向性がようやく見つかったなという思いです。

buridaikon.hatenablog.com

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