ぶりだいこんブログ

推理小説とか乃木坂46の話をしています。

『52Hzのラヴソング』(魏徳聖/2017)

 様々なカップルの恋愛模様を、バレンタインデーの1日間に限定して描いた台湾のミュージカル映画。ミュージシャンでもある小玉、莊鵑瑛、舒米恩、米非らが出演。監督は『海角七号 君を想う、国境の南』、『セデック・パレ』2部作で知られる魏徳聖

www.youtube.com


 ※ネタバレしてます。


 ミュージカル映画なのだが、冒頭から終盤にかけて怒涛の如く歌い続けており、なんなら会話している場面より歌っている場面の方が長いかもしれないくらい。ただ、歌によって話を転がせていくのはなかなか困難のようで、心情表現は十分できるのだけど、状況の変化が起こらない(中盤くらいまではキャラクターが登場して他のキャラクターと出会う程度のことしか起こらない)。歌そのものは悪くないし、なのでテンションもまあまあ高いのだけど、どうも中弛み感が否めない。
 とはいえ、このまま最後まで歌で通したら、それはそれで新しいスタイルの映画の誕生かもしれないな、と思っていたら、終盤、レストランでの重要な場面に差し掛かると、歌うのをやめ、会話を始める。会話を始めると、舒米恩と米非をケンカをし、小玉と莊鵑瑛が付き合い始める等、途端に話が転がり出す。話を進めるためにはやっぱり歌ってるだけじゃだめなんじゃん!
 ということで、ミュージカル映画は歌と会話のバランスが重要なんだな、と改めて感じ入った。
 小玉のコンドミニアムみたいなアパートとか、莊鵑瑛の花屋とか、セットや合成であることを隠さないのは、ミュージカル古典映画へのオマージュなのだろうか?
 李千娜と張榕容の女性同士のカップルが、さほど障害に阻まれず、さらっと結婚に至っていたのは、よかった。

 

Kai Men Guan Men (From '52Hz, I Love You' Soundtrack / Theme Song)

Kai Men Guan Men (From '52Hz, I Love You' Soundtrack / Theme Song)