ぶりだいこんブログ

推理小説とか乃木坂46の話をしています。

松村沙友理写真集『意外っていうか、前から可愛いと思ってた』と「CanCam」2018年2月号

 松村沙友理は女性アイドルグループ乃木坂46のメンバー。乃木坂46の19枚のシングルCDすべての「選抜」に選ばれている人気メンバーの一人であり、女性誌「CanCam」の専属モデルも務めている。
 乃木坂46はメンバーの個人写真集を2017年に計11冊発売し、その内6冊がオリコン年間写真集ランキングに入った。特に白石麻衣の写真集『パスポート」は22万部を売り上げ、記録的なヒットとなった。
 本書『意外っていうか、前から可愛いと思ってた』はその流れに連なる、松村のファースト写真集である。

 

松村沙友理写真集

松村沙友理写真集

 

 


『意外っていうか、前から可愛いと思ってた』は松村さんが専属モデルを務める「CanCam」が製作に大きく関与しているためか、コラージュや余白を効果的に使った、ポップなデザインとなっている。
 セクシャルなニュアンスが比較的薄いのも印象的だ。
 具体的には、胸元を俯瞰の視点で撮るような写真はなく、胸の谷間が写るのは水着などオープンな衣装の時のみだ。また、下半身を切り出したようなフェティッシュな構図も少なく、胸やお尻の写真でも必ず「顔」(=表情)を構図の中へ入れるようにしているのも特徴的である。衣装に関しては、ウェディングドレス姿があるし、また、下着姿も少なからずあるけれど、若い女性が実際に着けそうだなというデザインのものばかりだ。
 逆にいうと、いわゆる男性が好みそうな、からだのパーツを強調したような構図や、親近感のあるような衣装は少ない。個人的には、「事後です」みたいな思わせぶりな写真集よりは、これくらいの距離感のものの方が安心して見られるところがある。

  自分は松村さんの「にぃ」という表情が好きなので、P61の赤い水着のところ、P72の天使の格好をしてカラオケをしているところ、P83のサーモンピンクのウェディングドレスを着ているところ、P110のウサギ耳をつけてブランコに乗っているところ、などが好きなページだ(しかし、写真集ってノンブルないからページ数調べるの大変ね……)。
 ちなみに、「意外っていうか、前から可愛いと思ってた」という写真集としては独特の(はっきり言うと変な)タイトルは、いくつかある候補の中から松村さん自身が選んだらしい。候補は乃木坂46総合プロデューサーの秋元康さんが手がけたのだろうか。
 秋元康さんがこの写真集の帯以外で松村さんに言及しているのは、自分の知る限り次の過去1回だけである(秋元さんは乃木坂46の個別メンバーについてはほとんど言及しない)。

 あと松村(沙友理)は、もともとすごく頭のいい子なんだけど何か独特の不思議なキャラで、”さゆりんご軍団”…面白いな~、それで1曲作ろうかな~とか。
「別冊カドカワ総力特集乃木坂46 vol.02」

 秋元康さんも松村さんも「実務能力を伴わない企画先行型」というくくりではおなじタイプ。しかし、おなじ企画先行型でも、松村さんは、「さゆりんご軍団」というネーミングに象徴される、秋元さんにないすっとぼけたセンスをもっており、それを秋元さんは少し羨ましく感じているのだ、と勝手に考えている(秋元さんはハズした感じを出そうとするとスベってしまいがちなので……)。

 

※ 


CanCam」2018年2月号は写真集とタイアップして松村さんを表紙に採用し、かつ、25ページもの特集を組んでいる。

CanCam(キャンキャン) 2018年 02 月号

CanCam(キャンキャン) 2018年 02 月号

 


 ハワイでのロケ記は、5日間の行程を7ページに渡ってねっちり記述しており、写真集巻末のインタビューがどちらかといえば内面的な内容だったので、それを補完する形にもなっている。
 さゆりんご軍団が誌面へ応援に来ているのも、応援している身としては嬉しい。「さゆりんご軍団」は、松村さんが結成したグループ内ユニットで、松村さんを筆頭に伊藤かりんさん、寺田蘭世さん、佐々木琴子さんが所属している。自発的なユニットでしばらくは乃木坂46の替え歌を作って細々と活動していたのだが、やがて秋元康さんも触発されて「白米様」という曲を書き下ろしたくらい、影響力のある軍団なのだ。

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 さゆりんご軍団にはいろいろ泣かせるエピソードがあるのだけれども、それはまた別の機会に譲るとして、団員がそれぞれ松村さんの人となりや好きなパーツを挙げているところが、本当に結束力があるんだなと改めて感じ入った。

 


 余談だが、この「CanCam」2月号自体にも結構驚いた。
 まずインスタ映え特集が60ページも続くのである。冒頭に登場するのはRADIO FISHで中田敦彦さんが立身出世のためのインスタ映えを野心的に語っており、それだけで結構おなかがいっぱいになるのだが、その後も乃木坂46(松村さん、新内眞衣さん、与田祐希さん、山下美月さん)のインスタ映え、E-girsのインスタ映え等々……ファッションもあくまでインスタ映えするためのポーズや小物という取り上げ方で、あくまでインスタが主、ファッションが従なのである。
 長いインスタ映え特集が終わると、次はパンダ特集が始まる。動物の、パンダである。黒柳徹子さんまで動員しての気合の入れようである。
 そのあとは先述の松村さん特集に、イケメン特集が続く。
 2月号だけなのかもしれないけど、インスタ映え、パンダ、アイドル、イケメンと半ばカルチャー誌だ。ファッションはそれらを成り立たせるための要素に過ぎなかったりするところが、ちゃんと時代に追随していってて、すごいなあと思った。

 

 

 

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