朝食はホテルのビュッフェ。お粥や油条があって意外とまとも。
荷造りをしてチェックアウトの時間まで古城内を散歩。
木府。
かつて麗江を統治していたナシ族支配者の邸宅兼行政府らしい。
自分としてはあまり得るところがなかった……
今まで歩いていなかった五一街(古城エリア内の北東方面)の方へ行ってみる。傾斜があって風景がよいし、少しこじゃれた風な店もあるかも。
しかし、考えてみれば、昨日、古城の外へ行ってみようと思っていたのだった。
ホテルへ戻り、チェックアウト。タクシーをどこで捕まえられるか訊いてみると、南門だというので、スーツケースを抱えて行ってみる。タクシー乗り場みたいなものはなく、通りで自ら捕まえにいくスタイルである。5分ほど待ってキャッチ。
麗江三義空港へ。こちらも防爆ということで入口に警官が立っているものの、実際の検査はなし。まだチェックインができないとのことなので、1階のdicosへ。なぜか空港建物から直接入店できず、外から回っていく。フライドチキンを食べてみるが、あまり美味しくない……チェックインカウンターへ向かう。保安検査はさくっと。制限エリアのレストランでコーヒーを飲む。コーヒーがびっくりするくらい酸っぱくて大丈夫かと思う。
定刻通り搭乗。たぶん、機体は往路とおなじA320。うしろの方にめちゃくちゃいびきのうるさいおじさんがいる。成都双流空港着陸。タクシーでクラウンプラザへ。運転手がこれまでと異なる道を通るなあと思っていたが、夕方のラッシュのため夜に使う道は通れないみたい。途中、太古里という古い風の建物にグッチなどの高級ブランドが入店しているエリアを見る。
ちなみに、今回の旅行の副読本は『街道をゆく 20 中国・蜀と雲南のみち』(司馬遼太郎/1983)なのだが、自分は司馬遼太郎の小説は苦手で、お話の途中に「余談だが」みたいなのがしょっちゅう入るのでいまいち物語のテンションが上がっていかないなあと感じていた。しかし、ことエッセイではこの「余談だが」がいい感じに広がりをもって、歴史漫談としてなかなか愉快に読める。
『蜀と雲南のみち』は題名通り四川省(主に成都)と雲南省(主に昆明)での旅と、その旅から着想される司馬の歴史漫談が繰り広げられており、例えば、諸葛亮と劉備が三顧の礼でどのような言語コミュニケーションを取ったのだろうかという話など、あまり考えたこともなかったので、面白かった。
劉備はいまの行政区分でいえば河北省の人であり、孔明は山東省の人である。しかもこの地はかつて戦国の楚の故地である荊州で、楚語はとくに特異である。孔明は多少荊州語ができたであろう。かれは若いころにこの地にきたためあたらしい音に巧みではなくても、聴くことは十分にできたにちがいない。一方、劉備の場合、荊州にきてわずか六年で、しかも初老の齢であり、土地の音が耳になじむというぐあいにはいかなかったはずである。
(中略)
おそらくその重要な部分は、孔明がかたわらの筆紙をとっていちいち文章にし、劉備に示したのにちがいない。かつ語り、かつ書く。劉備はそれを読み、しばらく考え、やがてうなずく、といった風景ではなかったか。(朝日文庫 「孔明と紙」)
確かにこういう風に言われると、『キングダム』とかで合従軍がどうやって会話していたのだろうかなどとも考えてしまう。
武候嗣(諸葛亮を祀っているところ)へ行こうかと思っていたが、もう営業時間も終わりっぽいので先に夕食とする。4日目に行けなかった銀杏金閣へ。立派な建物。
案内され、担々麺、宮保蝦仁、麻婆豆腐を食べる。担々麺は花椒の痺れる感じがして美味しい。麻婆豆腐は痺れる感じの中に深いコクがあり、とても美味しいのだが、なにせ辛過ぎて途中で断念する。宮保蝦仁は辛くなくて美味しい。この頃、デジカメのバッテリーが枯渇していたため、料理の写真なし。デザートにピーナッツクリームというのを頼んでみる。なにかと思ったら温かくてさらっとしたピーナッツクリームだった(笑)。おなかいっぱい。
腹ごなしに寛窄巷子まで歩いてみる。蒸し暑い。20分ほど歩いて寛窄巷子到着。
平日なのに大変賑わっている。なるほど、古い建物をリノベして大変おしゃれな感じになっている。
売っているものは麗江古城みたいに銀細工だったり串焼きだったりするのだが(笑)。
スタバで休憩。
ホテルへ戻るために成都でのバスの乗り方を調べる。2元という以外の情報これといって出てこないので、これもさして難しくないのだろうと判断する。高徳地図で調べた通り、金河路のバス停へ行き、58路か81路を待つ。
中国人の観光客と思しき女性に中国語でなにやらバスに関する質問を受けたが、これから初めて成都のバスに乗る日本人にそんな難しいことを訊かないでくれ(笑)。
じきにバスがやってきて、前乗り2元先払いで、2つ目のバス停、春熙路北口で降りる。
特になんということもない建物の中が小さなショッピングモールみたいになっており、これがまた賑わっている。
影絵などもある。21時過ぎなのに賑やかなものだ。